Pashat's Book Diary

いままで全然本を読んでこなかった貧乏アラフォーがブックオフで100円で買える本を読み続けるブログ

「バカの壁」養老孟司

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「知っている」ってなんなんだと思う?

前に読んだ本「人間にとって成熟とは何か(曽野綾子)」にもちらっと出てきたけど、「本当の貧しさって今日食べる食べ物がないこと」を思い出して、ああこのこともかなと思った。私たちが住むの世界の貧乏感って、そこまでのことではない人がほとんどだ。あれしたい!これしたい!でもお金と時間に余裕が無いから、、、は?何言ってんの自分。って感じである。これほどに人は生まれた国や境遇によって、幸せや貧乏の感覚が全然違う。「そんなこと当たり前じゃん知ってるよ」って思うでしょ?

それがバカの壁だ。

自分が知っていると思っていること、本当にそれがわかっているのかどうか、いま一度考えるきっかけとなったこの本。知識としてただ知っているだけじゃ、本当にそのことを解っているということには全然ならない。一通りこの本を読んで印象に残った部分を要約するとこんな感じかな、と。

 

妻との間にも「バカの壁」は存在していた

身近な自分ごとだと、妻と子育てに関することで、意見の言い合いになったりすることがたまにある。毎日家メインで主婦としての仕事(子育ても仕事に含める)をしている妻、週のほとんどを会社メインで過ごしている私だと、お互いやっている仕事内容があまりに違いすぎて、実務&メンタルの部分を比べても結構なギャップが生じる。

夫側の自分としてようやく理解した部分は、「妻と比べると子育てに関するリアルな経験値が圧倒的に少ない」ということ。

私の意見が、いかに毎日の子育て現場を理解せず、浅はかで通俗的な意見だったということがわかった。完全に現場を知らない人の意見なんだよね、自分の意見は。なんとなく常識なんじゃなないかと思って頭にある知識を並べているだけ。よく仕事とかでも現場を知らないのに余計で偉そうな意見をぶちまけて踏ん反り返ってる管理職の人とかいるじゃないですか、あんな感じなんじゃないかと。

 

自戒の意味も込めて、妻がめんどいと思ってる仕事は何か?妻の精神的余裕な時間を捻出するにはどうしたらいいのか?を考えるようにした。例えば「毎日の洗い物は家に帰ったあと全て自分がやるから、一日中溜まった食器は流しにおいておいてくれ」だけでもは結構な評価をもらえた。

イクメンとかっていう子育てする旦那を持ち上げるワード、大体は虚構だぞあれ。自分で言ってたらほんとどうかと思う。家族が本心から認めてくれないかぎりイクメンなんて自分では到底言えないぞ。日中仕事で家にいなくて子供と接する機会が少ないぶん、まずは妻の助けになることは何かを考えることを忘れてはいけない。

 

個性の話

興味深かった個性の話。

個性を伸ばせととよく言う日本の教育現場。でも同じ人なんてこの世には2人といない、つまり個性はそもそも人それぞれ全く違う。最初から圧倒的にみんなが違うものを、さらに伸ばそうなんて考える必要があったら、そんなことよりも重要なのは個性はみんな違って当然ということを理解した上で、家族や友達や他人の気持ちを考えれることができる教育をしたほうがいいんだろう。このあたりの個性の話はすごくためになった。

また、天才なんていう表現は人間が勝手に決めた1つの尺に過ぎない。なので生まれてきた人達は生まれながらにみな異なる天才だ(?)。誰もが気づいてくれる社会じゃないかも知れないけど。なんとなく言いたいことわかるだろうか。

 

バカの壁」とても有名本ですが今更読んで読んでも面白かったです。

ブックオフ新書コーナーに必ずあります。